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これがインドの自動車市場 - インドではどんな車が走っている?

インドの自動車販売台数は世界第3位

インドにおける自動車産業の実態についてご紹介します。
日本では自家用車普及率が80%であるのに対し、インドでは普及率は8%程度にとどまっています。
2024年現在、インドの一人当たりのGDPは190万円前後(2,301米ドル、2022年)であるのに対し、人気のある自家用車の平均価格は170万円程度、ガソリン価格は平均200円/リットルであり、全体としてまだまだ自家用車購入には至らないのが実情のようです。

そんな中でもIT産業の興隆による中流階級の形成、拡大に伴い、2022年のインドの自動車販売台数は、前年比25.7%増と日本を上回り、中国、米国に次ぎ世界第3位となりました。

そんなインドの自動車産業市場を詳しく見ると、日本企業のスズキの子会社マルチ・スズキが売り上げ台数で40%を占め、インドの国産メーカーのマヒンドラ・マヒンドラとタタ・モータースが2社で25%弱、それに韓国車が続きます。マルチ・スズキ以外の日本車ではトヨタ・キルロスカ、ホンダの順で続きます。マルチ・スズキが圧倒的に売れている理由は、小型自動車を主要車種に定め、手ごろな価格で複数の車種を提供していることにあります。一方、トヨタ車は中型車やINNOVAなどのミニバンのイメージが定着していて、社用、営業用目的で購入されています。



 

日系自動車生産の現状

販売台数の増加に後押しされ、インド国内の四輪車製造工場および部品工場も積極的に事業を展開しています。トヨタ自動車のインド法人トヨタ・キルロスカ・モーターは既にカルナータカ州に2つの工場を持っていますが、26年には同地に第3の工場を操業開始し、さらにマハーラーシュトラ州に第4の工場を建設すると発表しました。

マルチ・スズキは1983年にグルガオン工場で生産を開始し、その後さらに2つ目の工場を操業し、28年の稼働を目指して4つ目の工場をグジャラート州に建設するという計画を発表しています。そのほかの各社も積極的に生産を進めており、関連部品の工場もインド各地で生産を拡大しています。

インドの自動車市場の今後

さて、路上に目を向けると、近年はメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWなどの高級車をよく見かけますし、ポルシェなどのスポーツタイプの車も稀に見られます。

しかし、インドは何といっても小型車が主流を占めています。手ごろな価格、駐車場不足、市内の交通渋滞などを考えると、やはり小型普通乗用車が庶民の強い味方なのでしょう。

一方、電気自動車の普及も、日本に比べずっと積極的に進められています。

次回はインドにおける電気自動車の現状をご紹介する予定です。

人口世界一、GDP世界5位と、経済的に大きく躍進を見せているインド。

IT大国として名を馳せていますが、モディ首相が2019年に唱えた「Make in India」のスローガンのもと、製造業にも大変力を入れています。工業団地の開発、施設のメンテナンス、交通網の充実など、今後ますますインドは発展していくことでしょう。