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新旧が混在するカルナータカの今

ನಮಸ್ಕಾರ! ナマスカラ!

これはカンナダ語のナマスカーラ、「こんにちは」です。今日は、この言語とその背景についてお話ししましょう。

カルナータカ州の言語を見てみよう

カンナダ語は、カナラ語とも呼ばれ、主にインド南西部のカルナータカ州の人々によって話されています。インドで最も古く、2500年以上前から使われているドラヴィダ系の言語で、上のようなカンナダ文字で表記されます。カンナダ語はカルナータカ州の公用語であり、現在約4,400万人の母語話者がおり、さらに約1,500万人の非母語話者が第2または第3言語として使用しています。また、たまに日本語と似た単語もあり、驚かされることもあります。例えば日本語の「からい(辛い)」は、よく「から!」と発音されますが、カンナダ語では“カーラ(ಕಠಿಣ)”です。よく似ていますね。

カルナータカ州都のバンガロールにはインド各地から人々が集まるため、英語が広く普及していますが、やはり現地の言葉カンナダ語を話す人が圧倒的に多く、特に農村部では必須です。また、カンナダ語に属する現地語としてはカルナータカ州だけでもウルドゥ、コンカーニ、トゥール等々150を超える言語が地域、宗教などにより今も話されています。インドの人は「20Km移動したらそこの言葉がわからない」といいますが、これもまた日本人には信じがたいことですが、事実のようです。

いずれにしても、カンナダ語はインドの言語の中でも、耳にやさしく、どちらかというと日本語のリズムに近いように感じられます。

カルナータカ州の産業

さて、カルナータカ州といえば、インドのシリコンバレーとの異名をとるITシティのバンガロールが有名ですが、カルナータカ州は広く、人口の60%が農業に従事しています。アラビカ種のコーヒーの栽培も盛んで、輸出もされています。世界で10位以内に入るほどのコーヒー豆生産量を誇るインドですが、カルナータカ州はその生産量の約70%を占めています。インドでも大人気のスターバックスは、ムンバイの1号店開店1周年を記念して、インド市場限定のブレンドコーヒーを発売しました。India Estates Blendと名付けられたこのコーヒーは、カルナータカ州のチックマガルールにあるタタ・コーヒー農園で生産された最高級のアラビカ豆を使用しています。インドにいらした際はぜひ試してみてください。

主要作物には、この地域の主食であるコメはもちろん、ラギ(シコクビエ)、サトウキビ、カシューナッツ、ナッツ、ブドウなどがあります。ワイナリーもありカルナータカ産のワイン、シングルモルトウイスキー(『アムルット』)は高い評価を得ています。また、カルナータカ西部の森林は、世界でも有数のサンダルウッド(白檀)の産地であり、日本の線香にもここの白檀が使われているかもしれません。けれども残念なことに乱伐の結果サンダルウッドが激減し、現在はインド政府により輸出が禁止されてしまいました。

日本とカルナータカのこれまでと今後

「世界のテックハブ」として知られるバンガロールにアメリカのIT企業が進出を始めたのが80年代後半。それまでは標高約1000メートルに位置する避暑地に過ぎなかった「グリーンシティ」バンガロールが、それ以降一気に変容を遂げます。GoogleやMicrosoft、Intel、Samsungなど、350社を超える外国の主要なIT企業が拠点を置いています。同様にバンガロールに進出する日本企業数は2022年現在、グルグラム、ムンバイに次いで226社と増加し続けています(JETRO資料)。バンガロールではTOYOTAの工場をはじめ当初は自動車関連企業、機械工業関連企業が多かったものの、最近は富士通、SONYなどのIT企業も参入し、広く事業を展開しています。今後もその数は増え続けていくでしょう。

なぜこのように多くの企業がバンガロールに目をつけたのでしょうか?まずはインドとしては涼しく過ごしやすい気候。また、当時はアウトソース先として低賃金であったこと。そして、「ゼロ(0)」を発見したインド人は数学に長け、コンピュータサイエンスをはじめIT関連の人材を大量に輩出していることが大きな要因だと考えられます。

過ごしやすい気候、穏やかな人々、豊かな自然と歴史に恵まれたカルナータカ州は、北インドとは一味違った魅力を見せてくれるはずです。増え続ける日本企業。これからも多くの日本企業がバンガロールに進出すると見込まれています。

新と旧が混在する街、カルナータカ州においでください。

ಧನ್ಯವಾದ(ダンニャワダ)
ありがとうございました!